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マーケティングチーム
2024.08.07 UP
共働き家庭が増えている中、注文住宅で人気なのがランドリールームです。「洗濯をするためだけに部屋を一つ設けるなんて…」という方もいるかもしれませんが、実は実用的でメリットがたくさん。居住性のアップにもつながります。
そこで今回のコラムでは、ランドリールームのメリットや注意点のほか、実際に導入している事例も紹介します。ご自身の理想の家づくりにぜひお役立てください。
ランドリールームとは、洗濯に関連する家事を行う専用の部屋のことです。洗濯をするだけではなく、洗濯物を干したり、洗濯物を畳んだり、アイロンがけしたりできるスペースのほか、タオルなどの収納スペースを設けておくことで収納までの作業を一か所で行えるようになります。そのため、家事の効率も上がります。
また洗濯機、乾燥機、スロップシンク、アイロン台、室内物干しなどのアイテムを一つの場所に置けるのもメリットです。リビングなどの居住空間がスッキリし、快適性もアップします。
ランドリールームを設けることで、得られるメリットについて紹介します。
ランドリールームを設置する最大のメリットは、家事が効率的に行えることでしょう。洗濯は料理などとは異なり、時短技と呼ばれるものがそう多くありません。なぜなら洗濯物を一つひとつ「取り出す」「干す」「取り込む」「畳む」「しまう」と手作業が多いからです。
また洗濯をする場所と洗濯物を干すスペースに距離があると、何度も行き来することになり、時間が取られ、体力も使ってしまいます。しかしランドリールームを設けると、洗濯に関する家事が一カ所で行えるため、家事動線が短くなり、効率よく作業できるようになるのです。もちろん時短にもつながります。
洗濯に関わるアイテムは、普段の収納に困ることが実は多いものです。洗濯機や乾燥機のほか、アイロンやアイロン台、物干し竿、バスケット、ハンガー、洗濯バサミ、ハンガーラックなど、部屋の隅にあると美観を崩してしまうでしょう。毎日洗濯をするからといってずっと部屋に出しておくこともできません。
できるだけ人には見せたくないものも、ランドリールームがあればそれらを気兼ねなく置いておくことができます。つまりリビングなどに置く必要がなくなるため、居住空間をスッキリさせることができるのです。
また洗面所に洗濯物が散らかっている中、突然の訪問があった場合、急いで片付ける経験をした方も多いでしょう。しかしランドリールームがあれば、そうした場合にも慌てる心配はありません。
ランドリールームを設置すると、天候に関わらずいつでも洗濯物が干せるというメリットがあります。もちろんリビングで室内干しをすることもできますが、美観もよくないですし、何かと邪魔になるものです。
しかしランドリールームがあれば、天気が悪い日でも関係なく洗濯物が干せます。梅雨の時期にも困りませんし、冬の寒い時期でも、気にせず洗濯をすることができます。
自然の風や太陽の日差しをたっぷり受けて、カラッと乾いた衣服やタオルは気持ちの良いものです。
しかし、大気中には汚染物質が含まれていることもあり、外干しでは洗濯物が汚れてしまう可能性もあります。花粉やPM2.5などでアレルギー症状を引き起こしてしまうこともあり、外干しを控えている家庭もあるようです。
ランドリールームに洗濯物が干せる場合、そうした心配は必要ありません。花粉が多く飛ぶ春の晴れた日でも、気にせず洗濯物を干すことができます。
一方、ランドリールームを設置するデメリットについても確認しましょう。
通常の住宅であれば、洗濯機置き場は洗面所兼脱衣所の一角に位置するのが一般的です。しかしランドリールームを設ける場合、部屋をもう一部屋確保することになります。建築面積に余裕があれば問題ありませんが、そうでなければ洗濯のためだけの部屋を一つつくることはデメリットにもなります。他の部屋の広さを狭めてしまう可能性があるからです。
洗濯をする場所で、洗濯物を乾かす場所でもあるランドリールームは、換気や日当たりが非常に重要になります。適切に換気されないと洗濯物が十分に乾かないからです。つまりランドリールームは、どこに設置してもよいのではなく、日当たりが十分なのはもちろん、しっかりと換気できる場所であることが必要です。
洗面所の一角に洗濯機置き場を設置するのと比較して、ランドリールームを設けると建築コストは高くなるのが一般的です。部屋を一つ余分に設けることに加え、洗濯物をより早く乾かすために、換気扇や除湿・暖房器具なども設置する場合はそのためのコストがかかります。
またランドリールームには給排水の配管工事のほか、アイロンをするためのコンセントなども設置する必要があります。こうした電気工事も必要なため、建築コストが高くなってしまうのです。
ランドリールームを設置するメリットとデメリットを確認したところで、ランドリールームを設置する際のポイントについて解説します。
ランドリールームを設ける場合、おおむね3帖ほどの広さが必要になります。ゆったりと作業したい場合、あるいは子どもが多く洗濯物が多い場合は4帖程度あるとより効率的に作業が行えるでしょう。
ただし家庭によってランドリールームの最適な広さは異なります。家族の人数や洗濯をする頻度、収納するものの量、作業の内容などによっても適した広さは変わってきます。広さをどの程度にするかはよく家族で話し合って決めるようにしましょう。
ちなみに、4人家族の1日の洗濯物の量は6kgが一般的とされます。この量を一度に干すと2mほどの物干し竿が2本必要で、ランドリールームは最低2帖のスペースが必要と考えられます。
ランドリールームを設ける大きな目的は家事の動線を短くし、効率的に作業ができるようになることです。そのポイントの一つになるのがタオルなどの収納スペースです。衣服はそれぞれの部屋に収納するとしても、タオルなどは洗って乾かしてその場所で収納できれば、より効率的に家事を行えます。
そこでランドリールームに、どの程度の収納スペースを設けるかが重要になります。家族の人数、ランドリールームに収納するものと数などをあらかじめ確認しておき、十分な容量の収納を設けるようにしましょう。
家事を効率的にするには、ランドリールームをどこに設置するのかも大切です。例えば、洗濯を担当する家族が行きづらいと感じる場所にランドリールームがあると、洗濯をするのが億劫になってしまいます。一方、キッチンの近くにランドリールームがあると、料理を作りながら洗濯ができるメリットが生まれます。
また、休日や天気が良い日はベランダに外干しするのであれば、2階にランドリールームを設置することが考えられます。このように家事のしやすさを優先して、スムーズな動線ができるような場所に設置するようにしましょう。
前述したように、ランドリールームは適切な換気対策を行う必要があります。ランドリールームは湿気がこもりやすく、カビが生えてしまう可能性があるからです。
風通しが良い場所を選ぶほか、窓や換気扇を設けて適切な換気ができるようにしましょう。また除湿機や乾燥機、送風機などを設置すれば、季節に関係なく洗濯物を乾かすことができます。
ランドリールームで行う主な作業は、洗濯をする、洗濯物を干す、洗濯物を畳む、アイロンをかけるなどですが、特に気にしたいのがコンセントの数と位置です。どこにコンセントを設置するかでも、家事の効率性は異なるからです。
例えば、アイロンをかけようと思ったときに、コンセントが適切な位置にないとアイロンがうまくかけられません。右手でアイロンをかけるのに、アイロン台の左側にコンセントがあると、コードが作業の邪魔になってしまうことも考えられます。台の設置場所や、コードの長さはどれくらいか、などを確認した上でコンセントの位置と数を決めるようにしましょう。
ハウスジャパンでは、注文住宅においてランドリールームの提案もしており、数多くの実績があります。ここでは、実際にランドリールームを設置した実例を紹介します。
ガス衣類乾燥機「乾太くん」を設置したほか、洗濯物にアイロンをかけたり、畳んだりできるカウンター、収納スペースも設けています。また雨の日に特に活躍するのが室内物干しです。居室内に洗濯物を干さなくて良いため、室内がすっきりします。汚れのひどい服や靴などを気兼ねなく洗えるスロップシンクを設置しており、洗面所や浴室の衛生面にも配慮しています。
洗面所がキッチンやランドリールームに隣接しており、しっかり動線が確保されているため、家事の行き来も楽です。ランドリールームの開口部がアーチ壁の垂れ壁になっているのもポイントで、洗面所のラウンドミラーとともに設計士・インテリアコーディネーターの遊び心が感じられます。
ランドリールームを設けたことで、脱いだ衣服の置き場所も確保することができ、洗面所もすっきりとした空間になります。
ランドリールームを設置することで、洗濯が効率的にでき、さらに間取りの工夫次第では別の家事も並行できるようになります。また洗濯に関連する設備や機器を一か所に集めることができるため、リビングなどの居住空間をスッキリさせ、暮らしの快適性が向上するなどができ、メリットは多彩です。
今回のコラムでは、建築コストが上がるなどのデメリットやランドリールームを設置する際のポイントも紹介しました。ご家族でじっくりと話し合って、ランドリールームを設置するのか、設置するとしたらどのような作業環境が整っているとよいのか、ぜひ夢を膨らませてください。
なお、ハウスジャパンでは、ランドリールーム(ランドリースペース)のあるモデルハウスを見学できます。お気軽にご相談ください。