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マーケティングチーム
2024.06.18 UP
自由度が高く、家族の理想の家づくりができる注文住宅ですが、こだわりが強いと予算オーバーになりがちです。しかし、工夫次第では1,000万円台の建築費用で注文住宅を建てることもできます。
そこで今回のコラムでは、1,000万円台で注文住宅を建てるための基礎知識を紹介します。メリットやデメリットのほか、1,000万円台を実現させるためのポイントも解説します。
この項目では1,000万円台の注文住宅の特徴について解説します。紹介する4つの特徴を確認することで、注文住宅を1,000万円台で実現するための基礎知識が見えてくるはずです。
注文住宅では、外観や内装のデザインをシンプルにすることでコストを抑えられるのが一般的です。家の構造が複雑になるほど、建築資材が増えて費用がかかってしまうからです。反対に凸凹のない四角い住宅は、基礎や外壁、屋根などに使う建築資材を抑えることができます。
例えば、1階と2階の形が同じ住宅のことを「総2階建て」と言いますが、この総2階建ての場合は凸凹がなく、ローコスト住宅に向いているとされます。また屋根は、建築資材が最低限で、なおかつ施工しやすい「片流れ屋根」にすることもコストを抑える際に推奨されます。
シンプルなデザインの住宅は、高度な技術が必要な個性的な住宅に比べて、施工期間が短くなることもポイントです。
前項で紹介したように、複雑な間取りほど施工技術と施工日数が必要になり、建築資材も多くなるため施工コストは高額になるのが通常です。そのため間取りを単純化・パターン化しているのが、ローコスト住宅の特徴の一つです。
例えば、寝室と子供部屋をともに6帖にして隣り合わせにするなどで、構造の複雑化を回避できます。
水回りを近くに配置することもコストを抑える手法の一つです。キッチンやトイレ、バスルームなどが近くにあることで、水道管などの配管設置にかかる費用が抑えられるからです。トイレを2か所に設けたいという意向がある場合も、1階と2階の同じ位置の上下に設置するなどで費用を抑えることができます。
このほか、各部屋に収納を設置するのではなく、家族全員が使える大きめのウォークインクローゼットを設けるといったことでもコスト削減につながります。このように、コストを抑えるにはさまざまなノウハウがありますので、ハウスメーカーの担当者に相談してみましょう。
住宅設備機器とは、日常生活に役立つもの、または必要不可欠なものとして住宅内に設置されている機器のことです。住宅にはさまざまな住宅設備機器が採用されていますが、以下が代表的な住宅設備機器です。
住宅設備機器の分類 | 代表的な住宅設備機器 |
厨房・調理機器 | 食器洗い洗浄機、冷蔵庫、ガスコンロ、IHクッキングヒーター、シンク、レンジフードなど |
浴室・給湯機器 | ユニットバス、ガス給湯器、電気給湯器など |
洗面機器 | 洗面化粧台など |
トイレ機器 | シャワートイレ、手洗い台、など |
空調・換気機器 | エアコン、換気扇、その他暖房器具など |
そのほかの住宅設備機器 | 太陽光発電システム、インターホン、警報器など |
これらの住宅設備機器はグレードに幅があり、低いグレードのものを選ぶことでコストを抑えられます。例えば、システムキッチンにしても、高額なものであれば100万円以上になりますが、安く抑えようとすれば50万円以下で用意することもできます。
家を建てるにはさまざまな建築資材が必要になりますが、これらの建築資材も工夫次第でコストを抑えることができます。壁紙やフローリング、カーペットなどにはさまざまな種類があるため、選ぶものによって価格が大きく異なるからです。
例えば、壁紙の単価は1,000円〜3,000円/㎡、フローリングの床材は5,000円〜30,000円/㎡が相場です。つまり3万円/㎡の床材ではなく5,000円/㎡の床材を使用すれば、建築コストは6分の1に抑えられます。
また、建築資材は使う種類が多いと発注する量が増えてしまい、コストが膨らんでしまうことも覚えておきましょう。例えば、壁紙を部屋ごとに変えるのではなく、すべての部屋を同じもので統一することで無駄を省けます。これも、コストを抑える方法の一つです。
注文住宅を1,000万円台で建てる大きなメリットは、自己資金が少なくても建てられることです。そのため、若い夫婦も家が持てます。ここでは代表的な4つのメリットを紹介します。
注文住宅を1,000万円台で建てる大きなメリットは、自己資金の用意が少なくても良いことです。通常、住宅を購入する場合は住宅ローンを利用しますが、金融機関の審査にパスするには自己資金がある程度用意されていることが必須です。
自己資金の目安は本体価格の2割が一般的と言われます。例えば、3,000万円の住宅を建てる場合、住宅ローンを借りるには自己資金が600万円用意されていることが望ましいです。一方、住宅の価格が1,000万円であれば、自己資金は200万円と3分の1になります。
また借入額が少ないと、審査に通りやすくなることもメリットです。住宅ローンの審査は、申込者の属性などをもとに行われます。属性とは申込者の社会的・経済的な背景のことで、具体的には以下のような項目です。
・年齢
・勤続年数
・年収
・借入状況、など
先ほどの例で言えば、2,400万円の住宅ローンを組むのと800万円のローンを組む場合では、借入額が800万円のほうが返済の負担額が少ないため、審査がやや通りやすくなると考えられます。そのため、例えば若い夫婦で自己資金があまりないといったケースでも、注文住宅が建てられるのです。これは大きなメリットです。
建築コストが抑えられると、住宅ローンの借入額が少なくなり、返済の負担も軽くなります。先ほどの例で言えば、3,000万円の住宅を購入する場合、2,400万円の住宅ローンを組むことになります。これに対して、1,000万円の住宅であれば、借入額は800万円ということになります。それぞれ返済期間を35年にすると、単純計算で以下のような返済額になります。
項目 | 3,000万円の住宅を購入 | 1,000万円の住宅を購入 |
借入額 | 2,400万円 | 800万円 |
年間の返済額(返済期間35年) | 68.6万円 | 22.9万円 |
毎月の返済額(返済期間35年) | 5.7万円 | 1.9万円 |
※返済には利子がかかります。上記の試算はあくまでも単純計算によるものです。
このように借入額が少ないと、返済の負担も軽くなります。そのため子供の教育費や習い事のほか、旅行に出かけるなどのレジャー費などに回すことができ、生活の質を向上させられます。また、将来のために貯蓄したり、保険や投資用資金などとして活用したりできるため、将来の不安に備えることも可能です。
家づくりにかかるおおまかな費用は、土地代金と住宅の建築コストです。そのため、建築コストを1,000万円台に抑えられるとすれば、予算を土地購入に割り当てることができます。
例えば、家づくりのための予算を5,000万円とした場合、住宅の建築コストが3,000万円なら土地購入代金の上限は2,000万円になります。一方、建築コストが1,000万円なら土地代金は4,000万円が上限になります。
そのため、交通アクセスの良い土地や子供の通学に便利な土地、日々の買い物に便利な土地など、より条件の良い土地を購入することも可能になります。
住宅は建造物なのでやがて劣化することになりますが、建築コストを低く抑えた住宅の場合、建て替えやリフォームがしやすいのもメリットの一つです。
購入時の住宅ローンが残っていると二重ローンになるため、金融機関から融資を受けられる可能性もあります。しかし、借入額が少ない場合は返済がある程度済んでいるため、断られるケースは少ないと考えられます。また家計への負担が軽く、新築時の借入額が少ないため、建て替えやリフォームのための資金が貯蓄できている可能性もあります。
一方、ローコスト住宅はシンプルなデザインを採用しているケースが多いことも、副次的なメリットを生み出します。シンプルな間取り構成になっているケースが多いため、家族構成に合わせてリフォームがしやすいからです。
またシンプルなデザインの住宅は、個性的な住宅に比べて幅広い人に受け入れてもらいやすいという側面もあります。そのため、売却する際に買主候補が見つけやすく、リフォームやリノベーションを前提に中古住宅を探しているといった人に購入してもらえる可能性もあります。
1,000万円で注文住宅を建てるのにメリットがある一方、デメリットもあります。代表的な4つのデメリットについて解説します。
住宅性能とは、住宅の快適性や性能に関わる要素のことで、主に以下のことを指しています。
住宅性能の種類 | 概要 |
断熱性能 | 熱の伝導を妨げる性能のことです。断熱性能が高いと、外気温が室内に伝わりにくいため、夏は冷房の涼しさ、冬は暖房の暖かさを維持しやすい住宅になります。 |
気密性能 | 空気が通る隙間が少ないことです。気密性が高いと、外気が室内に入りにくいため、夏は冷房の涼しさ、冬は暖房の暖かさを維持しやすい住宅になります。 |
耐震性能 | 地震が発生した時に揺れに耐えられる性能のことです。倒壊しにくさ、破損しにくさと言い換えることもできます。 |
耐火・防火性能 | 耐火性能とは建物自体の燃えにくさのことで、防火性能とは周辺で発生した火事の影響を防ぐ性能のことです。 |
防犯性能 | 犯罪行為や不法行為から守るための性能です。防犯性の高い窓ガラスなどを採用することで防犯性能は高くなります。 |
耐久性能 | 住宅を長く使うための性能です。耐震性や断熱性、基礎工事の工法などによって高めることができます。 |
それぞれの性能を高めるにはやはりコストがかかります。例えば、断熱性能を高めるには、気密性の高いペアガラスなどの窓ガラスなどの採用や、劣化しにくい高品質な断熱材の使用などの方法があります。また、防火性能を高めるには、防炎加工されている壁紙を採用するなどの方法があります。
ただしその分コストが高くなってしまうため、1,000万円台で注文住宅を建てようとした場合に予算に合わないことも考えられます。そのため予算に合わせようとすると、住宅性能が低くなってしまう可能性があるのです。
前述したように、建築コストを抑える方法の一つに、グレードの低い住宅設備機器を選ぶ方法があります。そのため最新の機能がついておらず、快適性が物足りないと感じることも考えられます。
例えば最新の住宅設備機器では、節水トイレがついていたり、玄関ドアに電気錠が採用されていたり、TVモニターホンがついていたりしますが、これらの機能が使えない可能性があります。これもデメリットの一つです。
ただし実際のところは、普段の生活に必要のない機能や、他の何かで補完できる機能がついているケースも数多くあります。そのため、本当に必要な機能や欲しい機能を見極めて住宅設備機器を選ぶことで、快適性や機能性を下げない生活も選択できます。
建築資材にはさまざまな種類がありますが、当然それぞれの寿命も異なります。例えば、外壁材には窯業系、金属系、木質系、樹脂系などの種類があり、それぞれに特徴は異なります。日本の一般住宅の7〜8割に採用されている窯業系サイディングは価格が比較的低い外壁材ですが、定期的な塗装メンテナンスが必要になります。
一方、金属系サイディングは断熱性や耐震性に優れており、汚れに強くメンテナンスがしやすいのが特徴ですが、窯業系と比較して価格がやや高めになります。
もちろん価格が低いから維持費・メンテナンス費がかかるというわけではありませんが、一般的には維持費がかかりやすくなると考えられます。この点もデメリットと言えます。
ちなみに、外壁に使用する塗料も耐用年数が異なっており、ウレタン塗料は6~10年前後、フッ素塗料は10~20年前後、シリコン塗料は8~15年前後とされます。つまり、選ぶ塗料によって塗り替えるタイミングが異なるということです。建築コストを抑えるために耐用年数が短い塗料を選んだ場合は、長い目で見ると維持費やメンテナンス費用が高額になりやすいと考えられます。
予算を抑えるために気密性能や断熱性能を抑えてしまうと、気密性が高く、断熱性能の高い住宅に比べてランニングコストが高くなってしまうことが考えられます。外気温の影響を受けやすいため、室内での冷暖房の効きが弱くなってしまうからです。予算内で家を建てられたとしても、暮らし始めてからの光熱費が高くなってしまい、家計への負担が大きくなることが予想されます。夏は暑く、冬は寒いため、室内にいると不快感を覚えることがあるのもデメリットの一つです。
また、気密性能が低いと建物自体にも悪影響が及ぶことが考えられます。屋外との温度差がある場合、外壁内や屋根裏で結露が発生してしまうからです。結露が発生してしまうと、建物の柱や壁などが腐朽したり、カビが発生したりすることもあります。この場合、建物自体の寿命が短くなってしまい、結果的に維持費やメンテナンス費用が膨らんでしまうことも考えられます。
これまで紹介してきたように、1,000万円で注文住宅を建てることにはメリットとデメリットがあり、さまざまな知識やノウハウを組み合わせることで実現できます。ここでは、1,000万円台での注文住宅をより実現しやすくするためのポイントを3つ紹介します。
理想の家をつくるには、家族それぞれにこだわりがあるものです。「天窓から星空を眺めたい」「リビングに和室スペースが欲しい」「オール電化がいい」「庭にウッドデッキをつけたい」「1階と2階にトイレが欲しい」「ピアノが弾ける防音部屋が欲しい」などが考えられますが、予算に限りがある場合はすべてを叶えることは難しいものです。
そこで、こだわりに優先順位をつけておきましょう。「絶対に欲しいもの」「あったら嬉しいもの」といったように、優先度に応じて区分けしておくのもおすすめです。このように優先順位をつけておくと、こだわりを実現することが難しくなっても納得できます。
また家族で事前に話し合って、意見を擦り合わせておくことも重要です。家づくりに対する考え方は一緒に暮らす家族でも異なるものです。しかし、意見を擦り合わせることで具体的なイメージが湧きますし、家族が望む新居での暮らしがしっかり見えてくるはずです。
住宅を建築する過程には基礎工事や木工事、設備工事、内・外装工事、電気工事などさまざまな工事がありますが、実は住宅を建てた後でもできる工事があります。その一つが外構工事です。
外構工事とは、住宅の外の空間に必要な構造物などを設営する工事のことです。具体的にはブロック塀や門塀、敷石、花壇、ガレージなどを造る工事です。これらは住宅が完成したと同時に必要とは言えないため、最低限の工事を行って資金に余裕ができた際に、工事を改めて行うことができます。例えば、玄関アプローチに砂利を敷いておき、資金ができたらアスファルトを敷設するといったことで建築コストを抑えられるのです。
また、エアコンの設置場所を設けておき、実際にエアコンを設置するかどうかは暮らし始めてから決めるという選択もできます。こうした方法で建築コストを抑えることで、1,000万円台での注文住宅が実現しやすくなります。
1,000万円で注文住宅を建てるには、同じような条件で注文住宅を建てた実績が豊富なハウスメーカーに依頼するようにしましょう。低い予算で注文住宅を建てるには、今回紹介したように、いくつもポイントがあります。ローコスト住宅の実績が豊富なハウスメーカーであれば、ノウハウを心得ており、要望に応えられる知識や技術にも精通していると考えられます。
また、依頼者が知らないことをアドバイスしてくれたり、要望を上回るような提案もしてくれたりする可能性があり、より満足度の高い1,000万円台の注文住宅になるでしょう。
ワークスペース付きのLDKは室内全体を見渡せるような間取りになっているのが特徴的です。家族と程よいつながりを感じながら自分時間を過ごすことができます。
外観はグリーンのガルバリウムで、街並みにひときわ映えます。
木目調を生かした玄関周りも特徴で、グリーンとのコントラストが印象的です。
たっぷりと日差しが差し込み、白が基調で爽やかなイメージです。
室内全体を見渡すことができる配置になっており、2階につながる階段もリビングから見えます。
家族との会話ができる対面型キッチンです。収納スペースも豊富で毎日の料理も楽しくなります。
ダウンライトや間接照明が室内を優しい光で包み込みます。
2階には本棚を配置しており、ファミリーライブラリーのような空間になっています。
大容量のクローゼットを設けた2部屋続きの洋室です。
玄関も広々しており、玄関クロークの収容力も高く、家族でのお出かけも楽しくなります。
テーマは「サステナブル(持続可能)」。快適さを追求した性能が揃っており、ずっと心地よく暮らすことができます。一直線に配置されたLDKや 洗面室の隣に設けたランドリースペースといった家事動線、「おかえり動線」上に設計された玄関クロークの手洗いなど、住み心地のよい間取りも特徴です。
シンプルなガルバリウムの外壁に、市松模様のアプローチが印象的です。
玄関クロークの手洗いスペースで、帰宅後すぐの手洗いができるように設計しました。
サニタリールームはすっきりしたデザインで、タオルの収容力は抜群です。
サニタリールームの隣にランドリースペースを配置し、家事での移動が最小限になります。
対面型キッチンで家族と会話を楽しみながら料理ができます。
高窓から自然光が差し、部屋の奥まで効率的に光を取り込むことができます。
床下に冷暖房を敷設し、見た目はすっきりしていながら機能性も高いのが特徴です。
アースカラーやニュアンスカラーのインテリアで室内に明るさと落ち着きをもたらし、視覚的にも居心地抜群です。
1,000万円台で注文住宅を建てる場合、さまざまなメリットがあります。住宅ローンの借入額が少ないため、自己資金が少ない若い夫婦でも理想の家づくりができます。またローンの返済額の負担が軽いため、月々の家計にも優しいというメリットもあります。子供の教育費やレジャー費に回したり、将来のための貯蓄もしやすくなったりするでしょう。
ただしノウハウや知識、技術が必要なため、どのハウスメーカーに依頼しても1,000万円で注文住宅が建てられるわけではありません。過去の施工事例などから、ローコスト住宅の実績が豊富なハウスメーカーを厳選しましょう。
ハウスメーカー選びの際は、家族の要望を担当者にできるだけ詳しく伝えることも重要なポイントです。打ち合わせを重ね、できることとできないことをはっきりさせることで、1,000万円台で注文住宅を建てることに近づけましょう。
このコラムや家づくり無料相談をぜひ参考にしてください。